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本書は、哲学芸人を標榜するマザー・テラサワが戦後の日本社会と天皇制の構造を鋭く解剖した思想家・藤田省三の最も重要な論考集を解説する講義録です。
1960年代、安保闘争後に刊行された『天皇制国家の支配原理』は、天皇制を現代日本の権力構造と国民精神を規定する支配の原理として捉え直しました。刊行後半世紀以上を経てもなお、新型コロナ禍での東京五輪をめぐる宮内庁長官の「拝察」発言などに見られたように、藤田が分析した支配原理が形を変えて再び顕在化していることをマザー・テラサワは指摘しています。
■目次
昭和天皇崩御と「朝まで生テレビ!」天皇論/憲法が規定する「象徴」としての天皇とは/丸山眞男「超国家主義の論理と心理」/師・丸山眞男から継承した「リベラリスト」としての立場/『天皇制国家の支配原理』の特異な構成/明治維新と天皇制/権力(パワー)と権威(オーソリティー)の定義/手持ちの武器で急造する「近代の形」/統治の空白を埋める「官僚」の台頭/「国民」か「臣民」か?主権の在り方とは/天皇絶対主義と「村社会」のハイブリッド構造/教育勅語という「家訓」による思想統制/天皇制ファシズムとアーレントの「モッブ」論/状況に引きずられる主体性なき開戦/「諒闇」にみる「自粛=調停」の強制性/矛盾は常に内在している……
巻末付録
【学習ノート】近代日本を読み解く3つのキーワード「国民国家」「超国家主義」「天皇制ファシズム」+演習問題3問
■編集部解題
本書は、二〇二一年八月、新型コロナ感染拡大の渦中にあった東京都内で開催された「マザー・テラサワ定例読書会」の記録である。当時、日本社会は出口の見えない自粛要請と東京オリンピック開催という矛盾の間に揺れていた。この閉塞感の正体はいったいなにか。この問いに対し、哲学芸人マザー・テラサワは、戦後政治思想史の巨人・藤田省三が遺した『天皇制国家の支配原理』を「補助線」として差し出したのである。
テラサワは藤田のテクストを冷徹な学術的視座をもって現代へと接続させる。近代的な「法」や「理性」の外部に置かれた日本固有の「情」の支配構造。そして、国民が自発的に隷従へと向かう「天皇制的なるもの」の磁場。テラサワは、当時の宮内庁長官による「拝察」発言や、コロナ禍における同調圧力を、藤田が剔抉した「伝統的権威と政治権力の未分化」という文脈から鮮やかに解剖してみせる。本書は、単なる読書会記録ではない。パンデミックという極限状態において、我々の内なる「支配原理」を学術的かつユーモラスに検証した、現代の精神史的ドキュメントである。
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